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第27章 幾何変換と補間

本章では、画像の回転、拡大、変形に用いる補間法と、エイリアシングの発生条件を説明します。

画像を回転したり拡大したりすると、出力画素は入力画像の格子点のちょうど上には乗らず、格子の「間」を指します。その中間点の値を、周りの画素から推定するのが補間(interpolation)です。地味ですが、回転・拡大・変形といった幾何変換のたびに必要になる土台の演算で、逆投影(第3・4章)、MPR(第28章)、レジストレーション(第34章)の内部でも使われています。

3 つの補間法

代表的な補間法は、周りの何画素をどう混ぜるかで決まります。

  • 最近傍(nearest neighbor):もっとも近い 1 画素の値をそのまま使う。速く、元の値を変えないので、ラベル画像やマスク(第32章のセグメンテーション結果)の変換に向きます。ただし拡大するとブロック状のギザギザが出ます。
  • バイリニア(双一次):近傍 2×22\times2 の画素を、距離に応じて線形に重み付けして平均します。滑らかで速く、もっとも標準的です。段差はなまりますが、値が近傍の範囲を超えることはありません。
  • バイキュービック(双三次):近傍 4×44\times4 を三次のカーネルで重み付けします。バイリニアより鋭くなめらかですが、段差の近くで値が近傍のレンジをわずかに超える(オーバーシュート、リンギング)性質があります。
最近傍線形三次行き過ぎ標本点

1 次元で見る補間。標本点(白丸)の間を、最近傍は階段状に、線形は直線で、三次は滑らかな曲線で埋める。三次は段差の直後で値が行き過ぎる(オーバーシュート、リンギング)。2 次元のバイリニア・バイキュービックはこれを縦横に適用したもの。

上の図は 1 次元で見た様子です。標本点(白丸)の間を、最近傍は階段状に、線形は直線で、三次は滑らかな曲線で埋めます。三次は段差の直後で行き過ぎている(オーバーシュート)ことに注目してください。2 次元のバイリニア・バイキュービックは、これを縦横に適用したものです。もっと広い近傍を使う Lanczos 補間もあり、さらに鋭くなりますがリンギングも強くなります。

シミュレーション:拡大して見比べる

粗い元画像を、同じ表示サイズへ最近傍・バイリニア・バイキュービックで拡大して並べます。元解像度を下げるほど拡大率が上がり、違いがはっきりします。最近傍はブロック状、バイリニアは滑らか、バイキュービックはより鋭く、斜めエッジの近くでバイキュービックのわずかな縁取り(オーバーシュート)が見えます。

最近傍

WL 0.500 / WW 1.00ドラッグで WL/WW 調整

バイリニア

WL 0.500 / WW 1.00ドラッグで WL/WW 調整

バイキュービック

WL 0.500 / WW 1.00ドラッグで WL/WW 調整
拡大率×8.0

低解像度画像を最近傍、バイリニア、バイキュービック補間で同じ大きさに拡大した結果。ブロック状の段差、平滑化、オーバーシュートの違いを示す。

縮小とエイリアシング

拡大の逆、画像を縮小するときには別の注意が要ります。細かい模様を粗い格子で標本化し直すと、標本化定理(第11章)に反して、本来ない縞やモアレが現れます。これがエイリアシングです。防ぐには、縮小の前にローパスフィルタ(第28章のガウシアンなど)をかけて、格子で表せない高周波をあらかじめ削っておきます。単純に間引くだけの縮小がモアレを生むのはこのためです。

この章の要点

回転・拡大・変形のたびに、出力画素は入力格子の間を指すので、周りの画素から値を推定する補間が要ります。最近傍は値を変えずラベル向きだがブロック状、バイリニアは滑らかで標準的、バイキュービックはより鋭いが段差でオーバーシュートします。縮小では、標本化定理により、先にローパスをかけないとエイリアシング(モアレ)が出ます。補間は逆投影・MPR・レジストレーションなど、幾何変換を伴うあらゆる処理の土台です。

参考文献

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